闘牛>  どんな順序で進行するのか







 入場行進
 パソ・ドブレの行進曲にのって、先頭に三人のマタドールが並び,その後ろにバンデリジェーロ、馬にまたがったピカドールと馬丁が続き場内を一周します。  これから始まるマタドールと闘牛の命をかけたドラマ、真実の瞬間への誘いと期待感で胸は高鳴ります。

 サリーダ・デ・トロス
 「牡牛の出」の場面です。暗い小部屋で長時間過ごした牡牛が、闘牛場へ駆け出します。半トンは優にある黒い筋肉の塊が駆け抜ける様は、見る者を圧倒します。
 私はこの瞬間、牡牛の動きと同時にマタドールの姿を追うようにしています。 マタドールは,この後、自分と対決することになる牡牛の動きを鋭く観察すると同時に、ほとんどのマタドールが十字を切り、神に祈っている姿がいつも印象に残ります。

▼ 第1場 槍突き

 闘牛場へ踊り出たトロス(牡牛)は、アレナを走り回った後、マタドールが出てカポテをかざしながら、技を仕掛けます。このとき、時にマタドールが最初から両膝をつき、両手でカポテをかざすウルトラCを演じ、ベロニカに花を添えると、場内はやんやの拍手喝采です。でも,これ素人目にはこわいですよ。突進してくる無傷の牡牛に、両膝をついてカポーテをかざすわけでしょう。もう,こちらがヒヤヒヤです。牡牛がマタドールのかざすピンクのカポーテではなく、マタドールに突きかかったら逃げられないわけで、私はいつも心配してしまいます。

 
  次に2騎のピカドールが登場し,槍突きが行われます。
 この槍突きの目的は、牡牛の首筋を槍で刺し切り、牡牛の首を下げさせることにあります。この場面は第1場の見せ場でありまして、ピカドールの腕が悪く、うまく首筋に刺さらないと、首が下がらずに、第3場でマタドールが倒される原因となりますから、ここではどうしてもピカドールにがんばってもらいたい場面です。
 しかし、牡牛も500Kg以上ありますと、牛も命がけですから,馬もろともピカドールを倒してしまいます。馬が牡牛の角傷を受けることもあるわけです。






 














      ▼ 第2場 スエルテ・デ・バンデリジョの場
 長さ約60センチのバンデリジョ(短銛)を,二人のバンデリジェーロが交代で3回、計6本牡牛の背中に刺し込み、手負いの牛をさらに猛り狂わせます。  




 第3場 スエルテ・デ・マタールの場

 殺し技の場,闘牛の最高の見せ場である。ここからマタドールと牡牛の15分間にわたる死闘が繰り広げられます。真っ赤なムレタで牛をほんろうし追い詰めます。
 しかしこの時、第1場でピカドールがしっかりと首筋を切り、牡牛の首を下げさせておかないと、元気な牡牛にマタドールが倒されてしまうことになります。マタドールが倒される場面は決して稀ではなく、良くあるのです。
  私がベンタス闘牛場で見た闘牛のうち、マタドールが3人とも倒されてしまったことがありました。闘牛士は命がけです。
 そして最後には、片手に持った剣で牡牛の首筋から心臓までを一気に刺し貫きます。
 見事な一突きで牛を倒すと、観客は総立ちとなり白いハンカチを振り、その見事な芸術に対して、マタドールに牛の耳を与えるように要求します。





 真実の瞬間


  闘牛における最後の殺しの場面を『真実の瞬間』と呼ぶが、へミングウェイは「午後の死」と「危険な夏」でその場面をリアルに描写しています。