美味しいワインが出来ました
フェリペU世大学・翻訳学部
PROFESOR 加 瀬 忠
9月にサン・ビセンテ村のSr.カルロス家で仕込んだ、待望のビノ・ティント(赤ワイン)のヌエボが出来上がり、12月6日にスペインの友人と賑やかに蔵出しを終えました。
「壷の中で発酵の音が聞こえるよ」「ソンブレロ(帽子)をかぶったよ」と、Sr.カルロスから何度も話があり、蔵出しの日をとても楽しみにしていました。
サン・ビセンテ村には、蔵出しの日は「満月から次の新月に至る下弦の月の日」を選ぶと言う古くからの言い伝えがあり、カルロス家では今でもこの言い伝えを守り、この日の蔵出しとなりました。
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カルロス家のビノ・ティント(赤ワイン)。
今年のビノは、コクと味わいのある調和
のとれた仕上がりとなった。
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発酵後のソンブレロ(帽子)を取り出し、
圧搾酒をつくる。この後時間をかけて
蒸留し、日本の焼酎に似たオルホとな
る。
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白ワイン、赤ワイン
ビノのつくり方には大きく分けて二つの方法があります。ぶどうの果皮を取り除いてそのまま発酵させると、白ワインに、ぶどうの果皮を果汁と一緒に発酵させ、果皮の色素を果汁に吸収させると、赤ワインとなるのです。
サン・ビセンテ村のぶどうは、糖度が高く、そのまま食べても「巨峰」のような味わいで、とても美味しいのですが、ワイン造りには、実はこのぶどうの糖度が影響しているのだと言うことを、サン・ビセンテ村で知りました。「ぶどうを搾ってワインを造る」と言うことは前から話としては知っていましたが、それでは「ぶどうを潰し、搾るとなぜワインが出来るのか」と言う理由がわからずに、それでも興味と関心だけは残ったままだったのですねー。
酵母と酵素が発酵の主役
ぶどう果汁の発酵は、真菌類と言う酵母と酵素がつかさどるのだそうで、この真菌類は、もともとぶどう畑の土壌に存在し、風に運ばれてぶどうの皮に付着するのだそうですよ。
ぶどうの皮には、ほこりっぽい灰色がかった白く薄い膜のようなものが付着していますよね、あれが真菌類で、ぶどうの果汁をアルコールに発酵させる主役を演ずるのです。
そうか・・あのビノの香りと色、適度なアルコール分は、風が運んでくる酵母や酵素によって発酵し、熟成するのか。ぶどうを軽く圧搾した一番搾りの果汁をラグリマ(ぶどうの涙)と呼んだり、酵母や酵素を風が運んできたり、何だかワイン造りって、すごいロマンを感ずるなー。
ああそれで、ぶどうの糖分ですが、果汁に含まれている糖分が発酵によってアルコールと二酸化炭素に変化するのだそうで、サン・ビセンテ村のぶどうは糖分が多いから、コクのある、良質のワインが出来上がるのだ・・と、Sr. カルロスが説明してくれました。