アランフェス スペインが歴史上有名な無敵艦隊を擁し、七つの海を制覇していたフェリペU世の時代からフェリペW世の時代に至る約100年間(1556年〜1665年)は、スペインの黄金世紀といわれます。この頃、多くのパイオニアたちはアメリカ大陸に渡って大量の金・銀を自国に持ち帰り、インフラの整備、社会資本の蓄積に邁進しました。芸術分野では、ベラスケスがLas Meninas(女官たち)、エル・グレコがEntierro
del Conde de Orgaz( オルガス伯の埋葬)等不朽の名作を残し、偉大な作家セルバンテスは名作ドン・キホーテを描きました。そして、スペイン語は英語と共に国際語となるほどの繁栄の基礎を築いたフェリペU世、そのフェリペU世によって拓かれた街がアランフェスなのです。
アランフェス駅から離宮までは、手入の行き届いたプラタナスの並木道を歩いて15分。春は若葉の鮮やかな浅緑が、そして秋は黄金色に黄葉したプラタナスの木々と落ち葉の絨毯を踏みしめて歩むCarretera de Toledo(トレド通り)の静かな空間は、格別な美しさです。
Palacio Real(王宮) アランフェスの王宮は、首都をトレドからマドリッドに移したフェリペU世が1561年に本格的な王宮建設をおもいたち、歴代国王の時代を経て18世紀の後半、カルロス三世の時代に完成したのです。バロック様式も一部とり入れたルネッサンス様式で統一された調和のとれた荘厳な美しさは、見る者を圧倒します。宮殿内部には、それぞれに意匠を凝らした27もの部屋がありますが、中でも「王座の間」「陶器の間」「アラビア風サロン」は圧巻です。 アランフェスの王宮は一般公開されていますから、王宮内部を見学することが出来ます。スペイン語、英語、フランス語等のグループ編制でガイドが丁寧に説明してくれます。また、写真・ビデオ撮影等も、フラッシュがなければ許可してくれますから、カメラ持参で訪れるとよいでしょう。 Salon del Trono(王座の間) 「Salon del Trono(王座の間)」は、赤のビロード張
りの壁とフランスのルイ15世時代の装飾様式である
ロココ調の家具が配置されている。
Salon de porcelana(陶器の間) 「Salon de porcelana(磁器の間)」は、部屋全体が草花模様、人物、動物等
の見事な焼き物で飾られている。この珍しい装飾はカルロス三世によってナポリから呼ばれたデザイナーのグリッチ、エンジニアのシェペルスらの合作によって完成した。また磁器はマドリッドのブエン・レティーロの窯業 所で焼かれたものである。
Salon Arabe(アラビア風サロン) 「Salon Arabe(アラビア風サロン)」は、グラナダの
アルハンブラ宮殿「二姉妹の間」を複製したものです。
Concierto de Aranjuez(アランフェス協奏曲) ホアキン・ロドリーゴの名曲「Concierto
de Aranjuez(アランフェス協奏曲)」、その哀愁を帯びた優雅で上品なメロディーは、アランフェスの宮殿を舞台に、18世紀後半にスペインの巨匠、ゴヤが描いた宮廷の中の風景や人間模様をモチーフに作曲されたと言われています。 特に私たちにも馴染みの、SegundoMovimiento(第二楽章)のアダージョは、ロドリーゴ夫妻のラブ・ロマンスとタホ川のせせらぎとのノスタルジック・サウンドとして語りかけてくれているようです。
アランフェス協奏曲第二楽章・アダージョの曲想
が浮かんだと言われている美しい「Jardin
de la Isla
(島の庭園)」とRio
Tajo(タホ川)のせせらぎ。