|
今,EUが面白い
スペインを代表する大手のスーパーで,一缶42Ptsのドイツ・ビールが売り出されました。42Ptsといえば,日本円に換算して何と25円ですよ。日本の缶入りビールはたしか200円くらいだったと思うんですが,こちらスペインでは25円なんですから,考えてしまいますよね。
EUは,2,002年1月の統一通貨・ユーロの導入をもってより強固な政治・経済統合体となるわけですが,このEU完全統合を目前に,ビールの値下げに見られるような価格競争の動きが加速しているのです。
少しこのへんのことについて,カセ・スペインの考えを述べさせていただきます。
EUが統合され,人と物の移動が自由になりました(資本移動の自由化)。スペインからフランス・ドイツ・イタリア等,EU加盟の15カ国間相互の人や物の移動のための物理的な障害物は撤去され,自由に往来が出来るようになったのです。
こうなりますと,経済的には物価に市場原理の原則が働き,良い意味での価格競争がおこるのはマーケットの必然性であります。私のマドリッド日本人学校勤務時代からのマーケットリサーチ・メモにもそのことがはっきり現れています。
次にいくつか実例をあげます。
郵便局の定期預金金利が4.7%に
日本では今,ゼロ金利時代となってしまいましたね。時代の変化は厳しく急です。
退職後は年金と定期預金の金利を期待していた私たちと同世代にとって,まさにこのことは青天の霹靂であります。その上,信じきっていた金融機関が予告もなく,ある日突然倒産したりね。私が昨年,再度スペインへやって来た時に,先ず考えた事は,資金の運用をどうするかと言うことでしたね。日本に置いといても,金利が0.275%(Yahoo Japan!Finansu 調べ)ではどうにもなりませんから。
そこで考えたのが,スペイン・ペセタによる外貨預金です。マーケットを調べて見ましたら,オランダ資本系のA銀行が金利3.1%で当時は一番金利の高い銀行でしたが,すぐに他の銀行も追随して何と3年もので5.5%の銀行も出現,郵便局までもが4.7%まで上げてきました。
この外資系によるウィンブルドン現象は,日本の銀行や郵便局でしか資金運用の経験がない私にとって,大変な驚きでした。
日本の金融機関は預金金利等は横並びで、EU域内で起こっているこのような金利競争などあり得ないでしょう。一方EUでは,郵便局までこれに加わるんですから,まさに金融ビッグバンの時代の到来なのです。
ああそう「金融ビッグバンの時代」については52号で触れたのですが,Eメール等での反響が大きかったので,もう少し詳しくお伝えします。
金融ビッグバンの時代
私の円ファンドは、東京の外為送金を扱っているA銀行にデポジットしてあります。マドリッドで毎日の外為相場を、インターネットで検索し、タイミングを見て外為送金を依頼するわけです。
強い円による「為替差益」今,円の為替相場は,対ペセタ・レートで100ペセタが55円前後でもみ合っていますから,相当な為替差益が期待出来ます。この「為替差益」,ちょっと興味があるので,手元の資料で詳しく調べて見ました。私が昨年4月にマドリッドへやってきたときには,100ペセタが81円でしたから,仮に10万円をペセタにすると,12万4千ペセタになり,これでも何だか得をしたような気分でしたが,2年後の今,同じ10万円をペセタにすると,17万9千ペセタが手元にくるんですよ。それでスペインの物価はどうかと言いますと,ほとんど上がっていないか,EUの統合によってむしろ下がっているものもあるのですから,生活をしている者の立場からすればとても有り難いわけです。いや―,時代は変わりましてね,従来は日本人が持っていた資本・財産は持ち出し難かったのですが,それが解禁されたのですから何でもやろうと思えば出来るのです。目をグローバルに外へ向け,情報を収集し,それを自分のものとして生きて行く時代の到来なのです。
マドリッドで生活していて実に驚くんですが,外為送金の依頼などもね,前は書類を作って印鑑を押し,それを郵送して依頼していたのですが,今はFAXでもEメールでもOKなのですから,手続きが実に簡単・かつ迅速,とにかく速いんですよ。その日のうちに外為送金が依頼出来,3日後には私のスペインの銀行口座に振り込まれるのですから。時代の変化に対応するとは,こう言うことなのでしょうね。そうそう,為替相場は逆もあるのですから,これには気をつけないといけませんね。為替差損です。もっともこれは,インターネットで情報をきっちりと収集していればわかることですから,努力をすれば防げます。大丈夫です。
電力料金の値下げ
我が家の平成12年10月分の電力料金請求書を見ましたら,電力消費量が325Kwで料金が4200Pts(約2,520円)となっていました。2年前と比べて約23%の電力料金の値下げです。
もっともこれは、為替相場の問題もありますから,単純には23%の数字そのものを評価出来ない面もありますが,EU諸国の電力料金を見て下さい,1ヶ月に電力を325Kw消費して,電力料金が約2,520円ですよ。日本ですと,いくら払うことになりますかねー。 これもEUの統合による「エネルギー関連産業のビッグ・バン」と考えれば良く理解できます。
EU域内での電力産業等のエネルギー基幹産業は,従来国営等の形で地域独占が普通だったのですが,これを実に発電・送電・販売の三つに分割・民営化し,電力事業に市場原理を導入したのです。EUはやることがすごいです。私たちが考えもしなかったことを,平気でやってのけます。でもこれ,時代の大きな流れですよ。EUは動いています。21世紀の世界経済は,私の目には,日・米・EUの三極に収斂される事は自明の理であります。今,EUがとても面白いです。
続・今,EUが面白い
EUが統合され,加盟15ヶ国間の人と物の移動が自由になりました。2,002年1月には通貨も統合され,フラン,マルク,ペセタ等の通貨は統一通貨「ユーロ」となります。
21世紀の世界経済は,EU抜きには機能しない時代となることは歴史の必然と考えられますし,この時,グローバルな視点から世界を俯瞰するならば,経済的には日・米・EUの三極へ収斂される事は自明の理であります。
さて,53号でお伝えしましたように,スペインの大手スーパーに一缶42Pts(25円) のドイツ・ビールが参入し,ビール業界に価格競争の動きが加速しておりますが,今度は何と,一缶39Ptsのオランダ・ビールが登場しました。
一缶39Ptsといえば23〜4円ですよ。水を買うよりもビールの方が安いんですから,マーケットのビール売り場を眺めながら,笑いが止まらないんですよ。楽しくてね。
日本では一体,缶ビールはいくらしていますか。200円ぐらいだったですよね。Ptsにすると345Ptsか・・これではスペインの人たちはビールを飲まないな。
ああそう,それでね,少し前にインターネットで日本のニュースを検索していましたら,発泡酒増税のニュースが飛びこんできたんですよ(平成12年11月3日付 Yahoo Japan! 毎日新聞)。
マドリッド日本人学校に勤務していた頃,たしか平成6年前後だったと思うのですが,日本へ帰った時にマーケットへ行きましたら,すごく安いビールが売っていましてね,一缶145円くらいだったでしょうか,「えっ・・何だこのビールは」と驚いたことを記憶しているんですね―。あれが発泡酒だったんですが,飲んでみるとビールとほとんど味が変わらないものですから,スペインから日本へ一時帰国した折にはほとんどこの発泡酒を飲んで,高いビールのウサを晴らしていたんです。その発泡酒にまで増税しようとしているのですかねー。
どうなんでしょうか。 私はね,日本とスペインの社会を比べて,このへんのところが本質的に違うのではないかと思っているんですよ。生活必需品・・そう,ビールとかパンとかね,人として生活をして行く上での必要最小限のものにまでこれほど税をかけ,予算規模を拡大するのがいいのか、日常の生活の中では多少不便でもいいから皆で少し我慢して,せめてビール,発泡酒くらいは財布を気にしないで飲めるのが人間的なのか,考えてみる時だと思いますね。
発泡酒増税構想は,私は,人心の理想と現実の乖離だと思っています。 |

スペインのスーパー・マーケット

スペインのスーパーに
一缶42Ptsのドイツ・ビールが登場。
この後39Ptsのオランダ・ビールが売り出され、
価格競争が激化している。
|
国境を車で越えると
EU諸国間を飛行機ではなく,車で移動するとどうなるのでしょうか。
先ず,スペインとポルトガルの国境で体験してみました。 「EU15ヶ国は統合され,人と物の移動は自由になった」と,マドリッド通信で何回も発信しているカセ・スペイン自身が「ポルトガルへ行くのだから、念の為にパスポートを持とう」などと言っているのですから、遠く日本ではEUの統合と言っても、現実の問題とは重ならないですよね。
さて、スペインとポルトガルの国境ですが、ここでは国境の標識があるだけで車は止まらずにそのまま移動できますから、もうEU域内では外国へ行くという感覚ではなく、国内旅行です。
ポルトガルへ入って少し走ったところで給油をしたのですが、スペインのペセタで代金を支払って、ポルトガルのエスクードでおつりをくれるんですよ・・ヨーロッパではもう「国」の概念はなくなり、実態としてボーダレスの社会となったような気がします。 |

スペイン、ポルトガル国境。
手前がスペイン、向こう側がポルトガル。 |
以下、継続作成中。
|