マドリッド通信>45号

 オーラ ケ・タール?
 ナバセラーダの雪も融け,アルメンドロの花が咲き始めました。スペインでは,朝晩の冷え込みはまだ続きそうですが,日中は気温も25度近くに上がる日が多く,我が家のピソの芝生も緑が目立ちはじめました。スペインの人たちが待ち焦がれているプリマベーラも,すぐそこまで来ています。
 先週,久し振りに散髪に行きましたら,床屋のおやじさんが真面目な顔で「寒いナー。ところで日本にも冬はあるのかい」と聞いているんですよ。パン屋のおやじさんにも「東京は中国のどのあたりなのかね」と,聞かれたばかりだったので「えっ,本当に知らないの」と,少しガッカリしながら,それでもエスパーニャの人たちの日本理解度は,市民レベルではまだこの程度なんだ,と思いながら「世界の経済大国・日本もスペインの人たちにあっては形無しだな−」と,変なところで納得してしまいました。

散歩・おしゃべり・そして「シェスタ」
 厳しい冬の寒さが緩むと,スペインの人たちは家の中に閉じこもっていません。家族で夕方の散歩とおしゃべりを楽しみます。我が家の近くのパルケ・デ・パリス公園も,ここ2〜3日のポカポカ陽気に誘われて,私がジョッキングする時刻には,たくさんの人で賑やかになっています。私はこの時刻,自分自身は一人で10キロ走りながら,スペインの人たちのゆったりとした生活ライフに思いを馳せ,考えながら「人生,このゆとりの差は何なのだろうか」と,いつも同じことを考えてしまうのです。
 スペインの人たちは「一日を二度楽しんでいる」。少なくとも,私の目にはそう映ります。午後4〜5時,シェスタの時間までが1日の前半。少し働いて帰宅。散歩とおしゃべりの途中でバルに寄り,ビールやビノを飲みながらおいしいタパスをつまむ。ここで,誰彼無しに隣の人たちとおしゃべりをし,意気投合すると一杯おごって,またおしゃべり。やっと夕食になるのは午後10時過ぎですからね。何しろ,スペインで生活をしていて,私たちもいくつか暗黙の了解事項を学びました。シェスタの時間には電話をしないこと。夜は12時ぐらいまでは「お互い様」で,多少騒がしくても苦情申し立てをしないことなどです。
 日本にいた頃は気がつかなかったのですが,カレンダーの1週間の数え方ですね。あれも,日本では日曜日から始まり土曜日で終るでしょう。スペインでは違いますね。月曜日から始まるんですよ。1週間に5日働いて土,日と休む。1年間でも7〜8月はバカシオ−ネスで連続して30日休むのです。スペインの人たちのライフ・スタイルを見ておりますと,人生,緊張を連続させていません。働いたら休んで充電する。この切り替えがとても上手な国民です。
 EUが統合されて,私が一番興味があり且つ心配したのは「シェスタ」の習慣のことです。何しろ午後2時から4時半ないし5時まで,国をあげて活動がストップしてしまうのですから,EUが統合されれば,スペインといえどもこの習慣を捨て去り,勤務時間をヨーロッパの他の国々と合せざるを得ないのかな,と思っていたのです。ところが違いました。今回,2年ぶりに戻ってみると,シェスタとバカシオーネスの習慣はしっかりと残っていたのですから,嬉しくなりました。ビーバ・エスパーニャ!です。

セミナー・クラス授業実践記録
 私の担任しているセミナー・クラス,その後の様子を実践記録でお伝えします。何しろ彼らは年齢構成から言葉の問題,将来の進路とそれは多様です。言葉など,スペイン語、英語,日本語の三つでは,日本語が一番苦手と言う生徒たちの集まりですから,授業の組み立て方も,私が長年中学校で社会科を教えてきたようなやり方では,納得しないことが多いですから,指導過程・展開等については,とことん彼らと話し合った上で進めるようにしています。従来の日本の教育は,教え上手なベテランの先生が,40人の生徒に対して一斉授業をし,生徒は先生の話を静かに良く聞くことを前提に成り立っていましたが,ここでは,この技法では通用しません。
 次に紹介する実践記録は,グループがそれぞれのテーマについて学習し,発表することなどを通じて,団結・協力などの精神を養おうとするものです。さて,「学習の流れ」の私の構想では,先ずグループを作って責任者を決め,次にテーマを決定すると言う順序で考えましたが,生徒は「テーマ」を先に決めて、次に「グループ」だと言うんですね。日本の中学校でグループ研究等に取り組むとき,子供たちの興味・関心事は,先ずグループのメンバー構成ではなかったでしょうか。修学旅行や文化祭などの大きな学校行事では,小・中学校の先生なら誰でもここで苦労されましたよね。グループに入れない子,あるいは,はみ出す子が出てしまいますもの。「それでは,テーマを先に決めよう」と言う事で、私の案は引っ込めました。
 決ったテーマが「環境問題について」「インターネット商売」「麻薬問題について」の三つでした。次にグループ決定ですが,生徒が言うようにメンバーはすぐに決まり、責任者もスムーズに決定しました。

グループ研究
学習の進め方
 生徒自身が選択したテーマについて,小人数のグループで情報をインター・ネット,新聞等で収集し、内容読解,意見交換を進め一つの意見にまとめあげ,レポートを作成し,クラスで発表する。
目的
(1)グループでの共同作業を通じ,異なる意見,考えをグループの意見としてまとめ上げる。
(2)グループ全員がお互いに協力し合い,作業を一定時間内で仕上げる。
学習の流れ
(1)グループの決定:3〜4人のグループとする。
(2)責任者の決定
(3)テーマの決定
  注:実践段階では,(3)〜(1)〜(2)の流れに変更
(4)学習時間:5時間程度でまとめ上げる。
(5)レポート作成:1時間
(6)発表:各グループごとに発表する。
(7)講評:担任が各グループごとに講評する。
指導時間
 6時間扱い(本時六分の二)
展開

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校長先生のホーム・ページ「マドリッド通信」を開いてみよう。
ア Yahoo!JAPANの地域情報をクリック
イ 世界の国々
ウ スペイン
エ 生活と文化
オ マドリッド通信 の順番でクリックしてみよう。

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次は,検索で「マドリッド通信」を探してみよう。
Yahoo!JAPAN にマドリッド通信と入力し,検索をクリックします。

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ショート・カットでやってみよう。
校長先生がEメールで送信している文書を送信済みアイテムから引き出し,一番下のURLアドレスをクリックするだけです。本当にショート・カットだね。

 さあ,次はグループごとのテーマについての情報を収集しよう。里美の班は「環境問題について」だったね。YA HOO! JAPANに「環境」又は「環境問題」と入力して見よう。検索をクリック。新聞から入っても面白いかも知れない。どちらが情報量が多いかな。自分の班の情報が見つかったら,PRINT してみよう。プリンターのPOWERをONにして,左上のファイルをクリック,次に「印刷」をクリック,OK の順番です。カラーで印刷できますよ。
 ミゲルの班は「インターネット商売」だったね。同じ要領でやってみよう。
 マルバの班は「麻薬問題」だね。この情報量はすごいよ。情報に振り回されないように気をつけよう。
 終わった班は,ホーム・ページを終了させます。
 ア 右下のダイアルアップアイコンをWクリック
 イ 中央OK クリック
 ウ 左下,スタートをクリック
 エ  WINDOWSの終了クリック。
 これで電話回線が切断され,すべて終了しました。
生徒たちと
セミナークラスの生徒たちと
地域の大会参加

個性豊かな子供たち
 在外教育施設の子供たちは,一般的に個性豊かな子供たちが目立ちます。ある課題を見つけ,それを自分で考え、工夫をしクリエートする力があります。強烈な独創性と言ってもいいのかも知れません。マドリッド日本人学校,補習授業校と日本の中学校で実際に子供たちと接し,私は日本の子供たちに欠けている力は,この独創性,自分の力で物事をクリエートする力なのではないかと思います。
 2002年4月から実施される新しい学習指導要領でも,子供たちに「生きる力」をはぐくむために「豊かな人間性や社会性の育成」「知識を一方的に教え込む教育から,自ら学び・考える力を育成する教育への質的転換」「個性を生かす教育の充実」を提言しておりますが,私はやはり,日本の子供たちの多くが経験不足,体験不足の面があると思うんです。もっといろいろな事を積極的に体験させ,頭だけで知識として理解することだけではなく,生きる知恵として身体全体で学習させなければならないと思います。そのためには,社会全体で学校教育を支援する体制造りが必要です。学校で大きな行事を計画し,子供たちにいろいろな事を体験させようとすれば「事故」はどうしても起こります。その時,学校に対して事故の責任をとことん追及するような社会であるなら,学校ではそれ以上の行事は組めませんからね。
 それでは,アデイオス。