マドリッド通信>48号
オーラ ケ・タール?お元気ですか。
4月中・下旬のセマナ・サンタに続いて5月15日のサン・イシドロ祭と,スペインではお祭りが続いています。このサン・イシドロ祭,私には待ちに待ったお祭りです。そうです,マドリッドのベンタス闘牛場で「闘牛」が始まるんです。5月13日の土曜日から10日間通しで闘牛が行われます。これから秋まで,毎週末の日曜日には,マドリッドの街の「蚤の市」と、ベンタス闘牛場通いが始まりそうです。
▼種まき終りました ▼
「ラ・マンチャの大地で農業を」と言う,とてつもない,まるでドン・キホーテの世界のような幻想が実現してしまいました。私も,セルバンテスの小説を読みすぎて頭が少し変になったかな,と思ったり,現実と幻想の世界の距離がわからなくなっているかな「これは 危ないぞ」と思ったりしましたが,種まきまでこぎつけました。ここまできたら,ラ・マンチャの大地での農業を,現実のものにしてみようと思っています。
さて,ラ・マンチャの大地で農業をするとなると、考えられるいくつかの問題点があります。先ず石ころだらけの痩せた土地を,大根・枝豆を作れる土地に改良出来るのか,次に日中の気温が40〜45度の灼熱の自然の中で,一体大根が育つのか,そしてこの乾いた大地で,本当に私が考えているような潅水で間に合うのか等々,不安はつきまといます。
先ず石拾い,これは丹念に手作業で行っています。村で雇った3人の農夫は「なぜこんなことをするんだ」と不思議がっています。スペインの人たちは,この石ころだらけの農地でたくましく農業をしているのですから。でも,私は石を全部取り除こうと思っています。気が遠くなるような時間のかかる作業ではありますが、やります。
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開墾中の畑。この石を全部取り除くつもり。
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大分畑らしくなってきましたが,まだまだ。
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次が土壌の中和です。持参した酸度計で,ラ・マンチャの大地の酸性度を測って見たら,これがすごい酸性なんですね。この赤い痩せた土地ですから,ある程度は予想していたのですが,PH5〜5.5ですよ。これを6.5くらいに中和しなければなりません。石灰を鋤きこんで中和するわけですが,石灰は石膏やさんで売っていました。さすが芸術の国です。
▼深く耕し,畝を作る ▼
スペインの人たちの農業のやり方を見ていると,「もう少し手をかければいいのにな」と思うことがあります。耕すこと,畝を作ること,除草作業をすること等です。畝を作ることは,彼らには経験がないわけですから、説明するよりも実際に作って見せてやると「なるほど」と言って,てきぱきと仕事を進めます。しかし,すぐにタバコを吸い,おしゃべりが始まります。私が苦虫を噛みつぶしたような顔をして,仕事を続けていると,彼らも仕事を再開します。スペインの人たち,根は働き者なのかも知れません。
これからの指導で大変だと思うことは「除草」だと思いますね。何しろ,「除草する」と言う概念が理解できるか、少し心配しています。何て言ったって,スペインの畑へ行きますでしょう,作っている作物よりも,雑草の方が大きいんですから。私は思うんですよ,この雑草をきれいにとってやればもっと育つのに,と。それでも除草はしませんから。
さて,次は羊と山羊の大群から作物を守るために,今,周囲をフェンスで囲う作業をしています。フェンスで囲うと言っても,8,000平方メートルですから,気が遠くなりますよ。
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小説では絵になる羊の大群ですが,現実は厳しいですね,
畑の大敵なのです。 |
そして最後が潅水です。この乾いたラ・マンチャの大地では,水の問題を解決しなけれ ばとても作物は育ちません。何しろラ・マンチャの大地は,年間300日が晴天なのですから,雨に頼っているわけにはゆかないのです。
それでも自然とは不思議なものです。あの岩と石ころだらけの乾いた大地,とても人を寄せつけるとは思えないような厳しい灼熱の太陽の大地でも,地下水が豊富に流れているのです。それも地下8メートルの浅い水脈なのです。どこから流れてくるのでしょうか。潅水は,この地下水を汲み上げ,オート・マチックの潅水装置を使って,一日1時間半セットする事にしました。ホアンさんは2日毎で良いと言っているのですが,これは私が譲らずに,毎日1時間半にしました。
うまく育ってくれたらいいなー,と願っています。
▼アマポーラもラ・マンチャでは雑草 ▼
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| 私の大好きなアマポーラ。でもスペインでは雑草なのです。小麦畑の中の見事な紅にしばしウットリ。
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マラゴン村への道々は紅のジュータン。ドン・キホーテが駆け巡った大地。右側の車は,愛車「ロシナンテ号」
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▼羊飼いは大変だな− ▼
種まきが終っての帰り道,二人の羊飼いのおとっつあんに会いました。かつて学生時代,夢中になって読んだセルバンテスの小説には,この羊飼いの人たちや,羊の大群が必ず登場し,ここは,私の冒険心をかりたててくれたノスタルジックな場面なのですが,現実は厳しいですよ。痩せて乾いたラ・マンチャの大地を,羊や山羊のやわらかな牧草を求めて,一日26〜30Kくらい移動するのだそうです。私の夕方のマラソンの8〜10Kなど,問題じゃないですね。生活をかけてこれを毎日繰り返しているのですから、頭が下がりますよ。
それでも,さすがラ・マンチャのおとっつあん,肩に下げた二つの皮袋の一つが水で,もう一つがビノだと言うではありませんか。もう・・ビーバ・エスパーニャ!です。
▼やはりおかしいよ「あいさつ」 ▼
セマナ・サンタの休暇で,日本へ一時帰国しました。10日間の日本でしたが,やはり祖国日本の良さが目につきました。成田からの電車の中で居眠りしたり,車のスピードが実にゆるやかだったりね,電車の中で荷物から離れて居眠りをするなんて,ヨーロッパでは考えられませんから,日本の治安の良さは,これはもう国際的には本当にめずらしい国になってしまいました。熊谷の家などは,ちょっと外へ出るときに「鍵」などかけてませんからね。私がマドリッドのピソを何日か留守にしますでしょう。今回も,もちろんそうでしたが,オートマチックの装置で室内の電気・ラジオをつけ,玄関のドアーは二重のロックですよ。現金は分散して持つとか,もう大変なものです。それでも狙われますからね。ヨーロッパの治安もひどいものです。あれ,手のうちを明かしてしまったかな。
そうそう,それで「あいさつ」のことなんですけれどもね。熊谷でマーケットへ買い物に行きましてね,レジを出るとき店の人が「ありがとうございます。またどうぞ」と言っているのに,誰も何も言わずに「無言」なんですね。あれ,おかしいですよ。どうして何も言わないんですかね。
「オーラ,ブエノス・ディアス」「オ−ラ,ケ・タール」「ムーチャス,グラシアス。アスタ ルエゴ」「アスタ,ルエゴ」・ニコニコ・・。これ,私がいつも買い出しに行くラス・ロサスのマーケットでの,レジのソニョリ―タとの最小限の会話です。ちょっと通訳します。「おはようございます」「やあ・・元気」「どうも有り難うございます。また今度」「またね」・・と言った感じになりますかね。
スペインに住んでいて,このあいさつの習慣はとても良いと思うし,私たちが学ばなければならないことだと思っております。
航空券の不思議
スペインと日本を往復していていつも不思議に思うんですが,チケットをマドリッドで買いますと、成田往復が10万Pts前後(約6万5千円)です。これを同じ飛行機に乗って,成田からマドリッド往復で買うと,10万円以上するでしょう。どうしてでしょうか。私は数学が苦手なので,詳しいことはわかりませんが,航空券はマドリッドで買った方が得だということぐらいはわかりますから,チケットはいつもマドリッドでペセタで買い,支払いは円のVISAカードで支払っています。得した気分です。
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カセ・スペインEメール・アドレス変更しています。
週末になるとサーバーダウンを繰り返し,大変迷惑をおかけしておりましたカセ・スペインのメール・アドレスをkasespain@tocco.esに変更しました。よろしくお願いします。
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