マドリッド通信−77

フェリペU世大学 ・翻訳学部
PROFESOR 加 瀬 忠

 オーラ ケ・タール?
 厳しい寒さの毎日ですが、お元気ですか。
 
ここアランフェスの街でも、先週末から連日氷点下を記録する冷え込みで、王宮庭園の植え込みも早朝は一面霜で真っ白で雪化粧をしたような美しさです。それでもここ2〜3日は日中の気温もぐんと上がり、ラ・マンチャ地方に春の訪れを告げているようです。


 アランフェスの朝市
 
毎週土曜日の朝、アランフェスの街で賑やかな土曜朝市が開かれます。
 アランフェスの街の中心、市役所広場前のメルカド(市場)から大通りを西へ闘牛場までの約1K、近隣の農家の人々、陶器屋さん、衣料品・雑貨屋さん等が店開きします。 土曜日は早めに朝食を済ませ、妻と共に朝市会場へ出かけます。私たちのお目当ては八百屋さん。何しろ、とれたての新鮮な野菜や果物が驚くほど安い値段で売られているのです。トマト、イチゴ、オレンジ等々、どれも新鮮で目が輝いてしまいます。

           

                
  アランフェスの朝市。真冬だと言うのに、オレンジ、メロン、
           イチゴ、トマト等、
新鮮な野菜・果物が驚くほど安い値段で売
           られている。


 今週はトマト2Kg、バレンシア・オレンジ2Kg、大きなメロン1個、グリーン・アスパラガス一束、レタス一個を買って、締めて8ユーロ50センティモ(約1、105円)。家へ帰って数を調べてみたら、私の大好物のトマトが一個15円、バレンシア・オレンジが一個20円と言った具合です。この真冬の寒い季節に、何故トマトが一個15円で買えるのか、疑問に思ったものですから、いろいろと資料を調べてみました。
 いやー、わかりましたよ・・その理由が。アフリカの西、大西洋上に点在するカナリア諸島、そうコロンブスが1、492年にウエルバの港を出てアメリカ大陸を発見する途上で給水の為に立ち寄ったあの島ですね、あのカナリア諸島はスペイン領土なんですよ。常夏の別天地・カナリア島では、年間を通して野菜・果物の栽培が可能なのです。
 
グリーン・アスパラガスやマンゴー、アボガドは冬のこの時期、南米のペルー、エクアドル、アルゼンチンから直送です。
 何しろ中南米諸国は、メキシコからアルゼンチン、チリまで、ブラジルをのぞいた国々が全てスペイン語圏の国々です。そして、赤道をはさんで北と南では、気候が逆になりますから、南半球の国々は今、夏なのですね。そこから直送しているわけですから、新鮮な野菜・果物類がスペインのメルカドの店頭に並ぶわけですよ。
 スペインは、国全体が赤茶けた褐色の大地と乾燥した気候から、植生は乾燥に強いオリーブ、コルク樫、オレンジなどが目立ち、その栽培には適するのですが、野菜・果物の農業には厳しい条件の国です。このような中で、ここアランフェスはタホ川の潤す肥沃な黒土地帯が広がり、スペインでも数少ない豊かな農業地帯となっています。春には、名物のイチゴ、ホワイト・アスパラガスがメルカドに出回ります。季節には、マドリッドのアトーチャ駅からイチゴ列車が出て、たくさんの人たちで賑わいます。


  総合的な学習の時間
 
平成14年度から小・中学校で全面実施されている新しい学習指導要領に位置付けられた「総合的な学習の時間」。各学校ではどのような取り組みを工夫されているのでしょうか。「マドリッド通信」では、加瀬忠個人と担任・定方先生、男沼小学校6年生の皆さんとの交換授業の取り組みを、一実践例として紹介致します。

 交換授業実践例

 
埼玉県大里郡妻沼町立男沼小学校6年生の皆さんが、総合的な学習の時間に取り組んでいる、情報通信ネットワークを駆使した郷土の学習について掲載します。

 ねらい・・国際理解教育、情報教育の視点から。
 
1 異なる文化や習慣をもった人々と、偏見を持たずに交流し、共存できる資質・能力を養う。
 2 コンピュータや情報通信ネットワーク等を、情報手段として活用できる能力を養う。

 
教師が常に強く意識し、イメージする児童・生徒像
 
豊かな個性と強烈な独創性、課題を自分のものとして、それをクリエートすることが出来るフレキシブルな発想と行動力を併せ持った児童・生徒を育成する。

 
長期的に展望する児童・生徒像
 
グローバルな世界の中で、組織に守られなくても自力で生きてゆける強い人間を育てる。

 それでは、男沼小学校6年生の皆さんの実践を紹介します。男沼小学校6年生の皆さんは、デジタル・カメラで撮った写真を、ホーム・ページ掲載用にピクセル350に加工し、ワードへ画像を取り込み、かなり長い説明文をつけて、Eメールで送信しております。担任の先生のご苦労と、見事な実践の姿勢が伝わってきます。 理屈はどうでもいい、先ず指導してみることが大切です。

            

                   
  男沼小学校6年生の総合的な学習の時間、グループ
             ごとのまとめ、発表。

 
展開例―1

 
各グループが、それぞれのテーマにより、地域での情報収集を終え、まとめの段階での指導実践例です。

 さあ、それでは皆さんのデジタルカメラから画像を取り込もう。
  デジタル・カメラの画面を、左Wクリックをすると、画面が大きく開きます。皆さんがワードに取り込みたい画像を加工しますよ。パソ・コンの画面から取り込みたい画像を左クリックして、そのままPHOTSHOPへドラッグします。自分の気に入った大きさに加工しましょう。

 先生、どうやって加工するんですか?

 マウスを左クリックし、そのまま離さずに右下へドラッグします。
  左クリックを離すと、点線が実線に変わりますから、イメージの切抜きを左クリックし「切り抜き」をクリックすると切り取れますよ。

 ああ・・本当だ。はさみみたいだ。

 本当に良く切れるね。

T さて、皆さんがデジタル・カメラで写したままの画像では、ピクセルが2、400くらいですから、これでは画像が大きすぎてワードの画面からはみだしてしまいますよ。丁度良い大きさに縮小しましょう。ピクセル400で、ワードの画面が一杯になりますから、300〜350くらいがいいでしょう。

 ワードの画面の半分の大きさはどのくらいですか?

 うん、ピクセル200だな。
  イメージを左クリック。画像解像度を左クリック。2、400くらいになっている数字を、自分のイメージする大きさで書き換えよう。一班は画面一杯だったね。ピクセル400と記入するんですよ。そうそう、よく出来ました。二班はワードの画面の半分だったね。どんな数字になるかな。

 はーい、200です。

 そうだ。なかなかいいぞ。
  さあ、出来上がったら、デスク・トップに保存しよう。
  ファイルを左クリック、名前をつけて保存をクリック。保存場所をデスク・トップにかえて。ファイル名は、一班は「聖天寿司」の歴史だったね。そのまま「聖天寿司」で保存しておけば、後でよくわかるよ。

 「保存」をクリック。さあ、これで写真は保存出来た。

         
   
             
パソコンを駆使しての「国際理解教育」「情報教育」の取り組み。
         グループごとに、それぞれのテーマに基づき、課題に取り組む。


 それでは、デスク・トップに保存した画像を開いてみよう。
  皆さんが保存した画像は、Jpegで保存されていますから、加瀬先生のホーム・ページ「マドリッド通信」に掲載していただく時に、そのまま本文に貼付けられますよ。

 スペインの加瀬先生のところへメールを送るのは、どうやるんですか?

 いつものようにメールを作成したら、上段の挿入を左クリック、「図」の「ファイルから」をクリック、保存場所は「デスクトップ」ですよ。Jpegで「聖天寿司」と保存できているから、すぐわかるね。

P
 あった・・あった。

T
 このまま「添付」で本文に貼付けられますよ。
  さあ・・送信をしてみよう。「宛先」を左クリック。加瀬先生のアドレスをWクリック、「送信」をクリック。スペインの加瀬先生のところへ無事送れたかな?それでは、正しく送れているか、どうかを調べてみよう。「送信済みアイテム」を左クリック。ああ、スペインの加瀬先生のところへ無事届いていますね。写真も本文の中で送られていますよ。

P
 やったー。

  

 カステラの歴史                                            こぼればなし

 過日、私の担当する翻訳学部の学生の誕生日に招待され、家族と夕食を共にしました。おいしいスペインの家庭料理、にぎやかなラテンのダンスの後、デザートに出されたのが「パステル・デ・マンテキージャ」・・何と、日本のカステラじゃありませんか。いやいや、あまりおいしかったので、家へ帰ってきてさっそくカステラの歴史を調べてみました。

 文献によると「1571年、ポルトガルの商船によってスペインのビスコッチョが長崎に伝えられた」とあります。なるほど、カステラのルーツはスペインのビスコッチョと言うお菓子で修道院や尼僧院で、フェリペU世の大航海の時代から作られていたんだ。

                 
       
      スペインのビスコッチョ(日本のカステラ)

 豊臣秀吉もカステラが大好きだったようで「長崎の商人村山等安が日本で初めて南蛮菓子のカステラを作り、秀吉に献上した」とあります。

 ポルトガルの商船でスペインのビスコッチョを伝えたのか・・。私は、昔からここのところがわからなくて、日本へカステラを伝えた国は、ポルトガルなのかスペインなのかをずっと考えてきたものですから、よく分かりました。そして、何とも悠久久しい日本とスペイン、ポルトガルとの南蛮貿易の歴史を感じさせる誕生パーティーでした。

                                                                     アディオス