マドリッド通信−91


フェリペU世大学・翻訳学部
PROFESOR    加 瀬   忠

 マドリッド通信読者の皆さん、お元気ですか。
 今般のマドリッド同時多発テロでは、日本の多くの皆さんからお便りをいただきました。本当に有難うございます。加瀬 忠、元気ですのでご安心下さい。
 アト−チャ駅近辺で起こった、3・11マドリッド同時多発テロのレポートをまとめておりまして、この種のテロは、アメリカやスペインだけではなく、当分の間、世界的にまだ続く可能性があるのではないかという不安を感じました。
 マドリッド同時多発テロ情報をまとめてみますと、通勤列車と終着駅に13個もの爆弾が仕掛けられ、そのうちの10個が確実にほぼ同時刻に爆発しています。爆弾は、スペインの小・中学生が通学の時に背負う「ナップ・ザック」に入れられ、列車や駅周辺にそれとなく置かれていました。爆発の装置は携帯電話で、アト−チャ駅に近郊の駅から「セルカニア(近郊電車)」が到着する7時39分にセットされており、それぞれが39分、41分、43分、44分に一斉に爆発しました。たまたま41分と43分に爆発したセルカニアは到着が遅れ、アト−チャ駅の手前の駅で爆発したのです。
 13個の爆弾を7時39分に一斉に爆発させ、あの美しいアト−チャ駅そのものを爆破する計画であった、と現地では伝えられています。
 当初、ETAの犯行ではないかと見られていましたが、国際テロ組織「アルカイダ」がイギリスで犯行声明を出すなどの動きがあり、まだ特定出来ていません。
 3月14日(日)現在、死者200人、負傷者1400人以上という大惨事となってしまいました。本当に残念です。

 以下は、3月13日(土)NHK放送のレポートです。

 3月13日(土) 地球ズームイン                (3月13日版)

 マドリッド同時多発テロ    スペイン・マドリッド 加瀬  忠さん(かせ ただし)
 (現地時間 午前10時7分頃・時差 マイナス8時間) 電話34―91―892―5792

前説
○ 世界でいま話題になっていることを現地から伝えていただく「地球ズームイン」今日はスペイン・マドリッドからです。

○ 今月11日、マドリッドで、通勤客を乗せた列車や駅が同時に爆弾テロにあうという事件が起こり、これまでに200人が亡くなり、1400人以上が負傷しました。

○ スペイン北部で独立闘争を展開しているETA「バスク祖国と自由」の犯行ともイラク戦争でアメリカを支持した事に対する「アルカイダ」の犯行とも伝えられています。
 また、昨日マドリッドでは、今回のテロの犠牲者に対する大規模な追悼集会が行われました。

     一昨日のテロの様子と、地元の人々の反応について、マドリッドの加瀬 忠(かせ ただし)さんにうかがいます。

NHK 加瀬さん早速ですが、今回のテロに関してそちらではどの様に伝えられているでしょうか?

加瀬 はい、加瀬です。

 
3月11日(木)朝に発生した同時多発爆破テロは、マドリード市内のアトーチャ駅など主要な駅の構内と4本の列車内に13個の爆弾が仕掛けられ、このうち10個の爆弾があいついで爆発しました。アト−チャ駅は、長距離列車や首都近郊路線が乗り入れるマドリッドのターミナル駅です。
 朝の通勤時間帯を狙ったテロでした。また、通勤列車の到着が相次ぐ7時39分の時間帯に合わせ、一斉にアト−チャ駅全体を爆破する目的であったとの見方も出ています。

            
 
                           マドリッドのアト−チャ駅

NHK 今回のテロに関しては様々な見方があるようですが、現地では如何ですか?

加瀬 当初、3月14日(日)に行われるスペインの総選挙を前に政治的な混乱を狙った、ETA(バスク地方の分離独立を求める非合法組織「バスク祖国と自由」)による犯行と見られていましたが、その後、国際テロ組織「アルカイダ」がイギリスで犯行声明を出すなどの 動きがあり、アルカイダの犯行ではないかという見方も出ています。


  こちらではテレビ各社、ラジオ各社がテロが起きた11日は深夜まで爆破テロ関係のニュースを放送していました。

  また、アスナ−ル首相だけでなくカルロス国王もテレビで演説し「今回の痛ましい事件は最大の非難に値する。総ての国民と共に心を痛め怒りを感じている。テロは決して目的を達しない。スペインの未来を砕くことは出来ない」と、スペイン国民の団結を呼びかけました。

  国王が定例のスピーチ以外で演説をするのは、非常に珍しい事です。

            

  
                   熱帯植物園のように美しいアト−チャ駅構内の待合室

NHK 昨日は犠牲者を追悼する大規模な集会が行われたそうですが、どんな様子だったのでしょうか?

               
 
                  同時多発爆弾テロの犠牲者を弔う人々(アト−チャ駅構内で)。

加瀬 爆破事件がおきた11日の夜には、スペイン各地で自然発生的な非公式の追悼集会が行われ、大勢の市民が参加していました。そして、昨日12日午後7時00より、スペイン全国各地で犠牲者を追悼する公式の集会が行われました。発表では、全国で1400万人以上の国民が参加しました。

 特に、事件がおきたマドリードでは、200万人が追悼集会に参加したという事で、これは市民の3人に2人が参加した事になります。
 マドリードの行進では、スペインのフェリペ皇太子、アスナール首相のほか、イタリアのベルルスコーニ首相やフランスのラファラン首相、欧州委員会のプロディ委員長ら欧州各国首脳も市民と共に行進し、犠牲者の冥福と、負傷者の一日も早い回復を祈っていました。

 私の住むアランフェスの街でも、小雨降る悪天候の中、市役所前広場に集まった多数の市民が、集まった多数の市民は、「ノー マス テロリズモ」「エタ ノー」(テロはもうたくさんだ、テロやめろ)のシュプレヒコールと共に、市内を行進し、犠牲者に対する深い悲しみと惜別の情につつまれ、哀悼の意を捧げていました。

NHK 今日は有難う御座いました。一日も早く安全が確保される事を祈っています。加瀬さんもお気をつけ下さい。

加瀬 有難うございます。

(後説)

○ 「地球ズームイン」今日はスペインのマドリードにお住いの加瀬 忠さんに伺いました。