マドリッド通信−97

 6月18日(金) 天気晴れ 気温38度
 夕食前の8時から、セセーニャ村に住むアンへラおばさんに「クロケッタ(コロッケ)のつくり方」を教えてもらうことになっているので、夕方のジョッギングは早めに済ませる。7時過ぎ、手土産のビノを持ってセセーニャ村へ。この国では、知人に食事等で招待された場合は、ビノ(ワイン)かパステル(ケーキ)の手土産を持って訪問するのが礼儀だと聞いているので、日本のように手土産の選択で頭を悩ますこともなく、我が家としては、大変助かっています。
 アランフェスの街から隣村のセセーニャまでは30分もかかりませんので、途中「アマポーラ(ひなげし)」の花が真っ赤に群生している、ハラマ川近くの丘を回りました。

 8時少し前、約束の時間よりは少し早かったのですが、アンへラおばさん宅へ。スペインでは、人を迎えたり、送り出したりするときは玄関先で「べスシート(両のほほに接吻すること)」をするのです。アンへラおばさんのお嬢さんは、私の勤務するフェリペU世大学の4年生で、いつも大学内では顔を合わせているのですが、学内ではさすがにべスシートはしません。ところが、今日のように、こちらから訪問したりする時には玄関先でべスシートをするものですから、何だかこちらが照れてしまいますよ。

 アンへラおばさんの「クロケッタ(コロッケ)」の作り方教室



 材料 小麦粉、マーガリン、生クリーム、牛乳、鶏肉(ささみ)、牛肉、ハモン・セラーノ
 作り方 1 マーガリンで小麦粉、生クリーム、牛乳の順に炒める。
        2 さらに鶏肉、牛肉、ハモン・セラーノを加えて炒める。
        3 火からおろして40〜50分、固まるのを待つ。
        4 固まったら、適当な大きさに丸めてパン粉をつけ、油で揚げる(写真右)。

                     

 
スペインにもコロッケがあるんですよ。ただし、スペインのクロケッタ(コロッケ) にはジャガイモが入っていません。日本のクリーム・コロッケのような味です。

 
6月20日(日) 天気晴れ 気温37度
 今日も朝からからりとした晴天。もう何日くらい雨が降ってないのだろう。インターネットで検索してみると、日本では梅雨の季節を迎えているようで、乾いた褐色の大地・イベリア半島の気候との違いを感じさせられます。
 スペインで生活していて、日曜日の朝に早起きし、朝食の準備をしているのは我が家ぐらいのものでして、近所の人たちはまだ深い眠りの中です。これは、スペインの人たちと、私たち日本人との生活の仕方、楽しみ方の違いによるものなのです。ここでは、週末の金曜日と土曜日の夜はにぎやかですよ。夜の10時〜11時は、まだ宵の口でして、12時過ぎても家族中で飲んで、歌って、散歩して楽しんでいるのですから。
 我が家では、午前中妻と離宮庭園を散策。

                   

 
王子の庭園の入り口はレイナ通り沿いに3箇所ありますが、ルシニョール広場のすぐ近くの「Puerta de Casa del Labrador」から入るとわかり易いです。

 離宮庭園は、タホ川がゆったりと蛇行して流れ、川面にはプラタナスやマロニエの影が美しく映える緑陰の静けさと、ホアキン・ロドリーゴの名曲「アランフェス協奏曲」第二楽章・アダージォの物憂げなギターの調べは、静かに散歩している私たちを、未知なる愛の世界へと誘ってくれます。
 また、ロマンチックな街並とプラタナスやマロニエの豊かな緑が美しいアランフェスの街は、2001年12月、町全体がユネスコの「世界遺産」に登録されているのです。

          

 悠久の歴史を刻む「タホ川」の流れ

 
アランフェスは、タホ川の潤す沃野にも恵まれ、イチゴ、緑と白のアスパラガスの特産地としても有名です。新緑の季節から初夏にアランフェスを訪れ、広大な離宮庭園の散策に疲れたら、町中のバルやカフェテリアでアランフェス名物の大きなイチゴのフレソン・コン・ナタ(イチゴ・ミルク)とアスパラガスのサラダを是非召し上がってください。

 午後は、久し振りでマドリッドの旧市街「プエルタ・デル・ソル(太陽の門)」「プラサ・マジョ―ル(マヨ―ル広場)」へ。
 
3月11日のアトーチャ駅爆破テロ以来、人の大勢集まるマドリッド旧市街へは外出を控えていたので、何だかとても懐かしい気がする。ここでは、毎日曜日ごとに切手・古銭市が開かれ、下町の人たちで賑わうのです。また、広場のあちこちでは音楽演奏が行われており、音楽を聴きながら、たくさんの日曜画家の絵を見るのも私の楽しみのひとつです。今日のお目当ては、ギター・フルート演奏のトーマスさんのグループです。いつもの場所で懐かしいフルートの演奏が聞こえてきました。ギター・トーマスさん、フルート・ハッサムさん、ベース・ホアンさん等、5人のグループで「G 線上のアリア」「アルハンブラの思い出」「アランフェス協奏曲」等の名曲を演奏してくれました。

 マヨール広場からの帰りに、カルメン通りの角のバルで「オストラス(牡蠣)が美味しいですよ」の看板を見つけました。さっそく妻とバルに入って、牡蠣を10個注文しました。むきたての牡蠣にレモンを搾り、ギンギンに冷やしたビノ・ブランコ(白ワイン)を飲みながら食べるのです。この国は、北部のガリシアの海で牡蠣やハマグリ等の美味しい貝類がとれるので、こんな内陸部のマドリッドでも、新鮮な牡蠣が食べられるのです。本日の牡蠣とビノの支払いは10ユーロ(約1300円)でした。

 ところが、このバルで牡蠣を食べながら、何となく外を見つめていたら、思わず現実の厳しい生活の場面を目にしました。
 マドリッド旧市街のマヨール通りやカルメン通りには、中南米やアフリカからの人たちがサングラスやCD、衣類等の商品を道端に広げ、あっという間に「露天市」が出現します。 売り手と客のやりとりをぼんやりと眺めていると、売り手の人たちが、大急ぎで広げた商品を閉じ、脱兎のごとく駆け出して逃げて行くのです。逃げ出す方向と反対側の方に目を凝らすと、何人かのポリスが追いかけてくるのですね。大部分の人たちは四方八方へ逃げ切ったのですが、そのうちの一人がパトカーに乗せられてしまいました。逃げ足が遅かったのですね。それにしても、この人たちは、どうして逃げるのでしょうか。パス・ポートを持たずに不法入国しているのかなー・・?
 帰りにグランビア通りのキオスコで、日本経済新聞を4.5ユーロ(約585円)で買って帰りました。

 6月23日(水)天気晴れ 気温39度

            
            フェリペU世大学・翻訳学部は、アランフェスの中心街・カピタン通りに面している。


 私の勤務するフェリペU世大学・翻訳学部の後期試験日です。学生たちは、前期試験の結果と後期試験結果の総合評定で、及第・落第が決まります。スペインの大学では、成績が10段階評定で5〜10が及第、1〜4が落第。落第の学生は、夏休み終了後の9月上旬に再試験を受けるのです。
 学生の後期試験日は、学生による担当教授の勤務評定日でもあります。16項目にわたって担当教授が評定されるのですから、お国柄を感じさせられます。

 6月25日(金)天気晴れ 気温38度

 後期試験が終了し、学生たちは夏休みです。
 私の担当する翻訳学部の試験で、一定の基準を満たした学生で希望がある場合には、夏休みに私たち家族と共に憧れの日本へ行けることになっているのです。今年の日本行きは誰でしょうか、学生たちも相当気にしているようです。

 6月28日(月)天気晴れ 気温37度
 
 外為相場
 年金20万円でのスペイン生活〜「定年退職後の人生をどのように生きるのか」をメイン・テーマに発信している「マドリッド通信(中学校長夫妻のスペイン生活)」ですが、マドリッド通信の読者の皆さんから「20万円で本当にスペインで生活できるのですか」という問い合わせが多くあります。
 日本では今「ゼロ金利」時代、手元にファンドを持っていても現状維持が精一杯で、それを増やすことは期待できません。
 私の場合は「外貨預金」で、毎日「外為相場」とにらめっこをしています。外貨預金の金利そのものも、日本の金融機関よりもかなり有利ですし、円とユーロ、円とドルの為替相場の変動(ユーロ、ドルの円に対する反発)によっては、かなりの為替差益が期待できます。為替相場は逆もありますから、毎日、外為市場の動向をしっかりと見つめ、「よし・・ここだ」という、タイミングを見極め、決断することが必要になります。